コーチングというと「聞く」、「質問をする」といった具体的なスキルが注目されることがあります。コーチングとはそういったスキルの集大成を指すものとみなされがちですが、実はコーチングには、すべてのスキルの前提となる3つの原則があります。コーチングにおけるすべての会話は、この3原則に基づいて行われます。
その原則とは、次の3つです。
コミュニケーションが双方向なのは当然だと思うかもしれません。しかし、日常を振り返ってみると、わたしたちのコミュニケーションは必ずしも双方向でないことに気づきます。たとえば上司が部下に、あるいは親が子どもに、一方的に指示を与える。また、たとえ会話を交わしていても、一方が話しているあいだ、もう一方は、次に自分が何を言うか考えている。
「双方向である」とは、双方がただ話していればいいというものではありません。相手が話したことを聞き、それについて自分も話す。その繰り返しが「双方向のコミュニケーション」です。コーチングでは、この双方向性を最も大切な原則としています。
コーチングで大切なのは、相手が行動を起こす、もしくは行動を変えることです。継続的にコミュニケーションを交わす、とは、一度話して終わりではなく、相手が行動を起こすまで、あるいは変えるまで、フォローし続けることです。
同じテーマについて、話題にし続ける。これは実はとても根気のいることです。また、相手が行動を起こさない状況が長く続くとき、同じことをもちだすのは勇気のいることかもしれません。それでも、相手の状況を聞き続ける。コーチにはその姿勢が求められます。
「人はそれぞれ違う」。この大前提については、誰もが同意するのではないでしょうか。しかし、頭ではわかっていても、コミュニケーションをとるときにそれを意識している人はごくわずかです。自分はこう言われてうれしいから、相手もそうに違いない。
あの人にこう言ったら喜んだから、この人もきっとそうだ。そんな風に思い込んではいないでしょうか。しかし、実際には100人の人がいれば、100とおりの、ものごとの受け取り方があります。相手の受け取りやすいかたちでメッセージを伝える。これもコーチングにおいて大切な原則のひとつです。






