スキル19 物語をつくる
- □ 一生懸命自分の体験を伝えているのに部下は真剣に受け止めていない
- □ 部下が目標を達成しない
目上の人から「人生はねぇ」ではじまる訓示を延々と聞かされて辟易したことはありませんか。
「AはBである」という一般論ほど、伝える側の「伝えたい度」と聞き手の「聞きたい度」に温度差があるものはありません。「人生は」「仕事とは」「学ぶとは」、発言者にとっては苦労を重ねて見つけた「真実」でも、これを聞くのは多くの場合、苦痛以外のなにものでもありません。
コーチングでは相手から引きだすのが鉄則ですが、ときに、こちらからものの見かたや違う視点を伝えたくなるときがあります。しかし一般論ではダメです。相手の耳の入り口ではね返されます。一般論を簡単に受け入れたらすごく窮屈な人生になってしまう。だから人はめったなことでは一般論に同意しません。
「AはBである」を相手に少しでも伝えたかったら、それを「お話」の中に入れて語る必要があります。お話は本や映画のストーリーであったり、見聞きした誰か別の人の話であったり、自分の過去の体験だったりします。
「お話」が伝達の手段として優れている理由は二つあります。ひとつはその話が具体性を持っているほど「AはBである」をサポートする事実が確かにそこにあったことを相手に示すことができるということ。つまりそれがいつも絶対正しいかどうかは別にしても、正しい瞬間もあるということを聞き手に感じさせられること。もうひとつは、一般論と違ってお話は頭に残りやすいということです。だから「AはBである」という文章が頭に浮かんだら、とにかくすぐにお話を探します。
もともと、そう思うに至った過程には、本を読んだり、誰かの話を聞いたり、自分自身がなにかに遭遇したり、なんらかの体験があったはずですから、必ず浮かんでくるはずです。
お話という乗り物に乗せて、はじめてあなたの「真実」は部下の心に届くのです。
- 一般論はダメ。具体的なストーリーを使って相手に伝える
- あなたが見つけた「真実」を相手に伝えたいと思ったら、本や映画のストーリー、見聞きした誰か別の人の話、自分の過去の体験など、なんらかの具体的な「お話」の中に入れて語ってみましょう。
- 良くない例:「ちょっと失敗したくらいであきらめるな! 努力が足りないぞ! がんばれ!」
- 良い例:「一度も失敗しないで成功した人って、いないんじゃないか? あのエジソンだって、電球を発明するまでに2万回失敗してるんだって。きっと、誰もがトライ・アンド・エラーを重ねて、成長していくんだよ」
(出典 : 『図解 コーチングスキル』 鈴木義幸著 (ディスカヴァー刊)






