スキル21 相手の心に火をつける
- □ 部下が目標を達成しない
- □ 部下の仕事に対するコミットメントがあまり高くない
コーチングは、とにかく行動がすべてです。コミュニケーションを交わした結果、部下やクライアントが気持ちよくなったかどうかは二の次で、実際に彼らが行動を起こしたかどうかがコーチングの価値を決める唯一絶対の基準です。行動の集積が目標の達成につながればもちろんいうことはありませんが、最低限、コーチが責任を持てるのは、あるいは持つべきなのは、部下やクライアントの行動です。
コーチは部下やクライアントが行動をとらないときに、「いやあ、行動の強制はできないからなあ。今彼はそういう状態なんだよ」などと言い訳をしてはいけません。あなたの部下が動かなかったということは、あなたに十分なコーチング力が備わっていなかったということです。コーチングはそれくらいの覚悟で行う必要があります。
さて、これまでいろいろなコーチングのスキルやありかたを紹介してきましたが、そのすべては、相手を行動に向かわせることが目的です。コーチングをジグソーパズルにたとえた場合、ピースの中でも特に大きなものは「相手から引き出す」ことです。自分でやろうと思ったことは、人からああしろこうしろと言われたことよりも、実際の行動に移す可能性が格段に高まります。したがって「相手から引き出す」のは、コーチにとって忘れてはならないスキルであり、スタンスです。
しかし、行動を起こす可能性をより高めようと思ったら、もうひとつ大事なピースを加える必要があります。それが「ファイヤー」です。日本語にすれば、「火をつける」こと。ファイヤーとは、行動を促すストレートなリクエストのことで、その目的は、相手の行動に対する意識を瞬間的にぐっと高め、「よし、やるぞ!!」と心の中で言わせることです。
「ファイヤー」を使うのは、とことん引き出し、相手が「○○をする」と宣言した後です。「やってくださいね、絶対に」「何があってもそのことだけは必ずやってください」と低く落とした真剣な声でリクエストします。やると決めた行動に関して、あなたがいかなる言い訳をも受けつけないことを明言するのです。
二人の間に、人が行動を決意した瞬間の、あの「神聖な空気」が一瞬でも流れたら、ファイヤーは成功です。
- 最後に「必ずやってくださいね」とストレートにリクエストする
- 自分でやろうと思ったことは、人から言われたことよりも、実際の行動に移す可能性が格段に高まります。相手の行動に対する意識を瞬間的にぐっと高め、「よし、やるぞ!!」と心の中で言わせるために、「やってくださいね、絶対に」と低く落とした真剣な声でリクエストしましょう。
(出典 : 『図解 コーチングスキル』 鈴木義幸著 (ディスカヴァー刊)






