スキル19 相手の視点を変える質問をする
- □ 部下の目標設定をうまくすることができない
- □ 部下はまじめで実直だが視野が狭く、いろいろな可能性に目を向けられない
- □ 部下が目標を達成しない
「すべての答えと能力は、その人の内側にすでにある」。これはコーチングの大前提です。したがって、夢や目標もまた、その人の中にすでに存在しているとコーチは考えます。
しかし、往々にして、内側にある夢や目標にはたくさんの膜や靄(もや)が覆いかぶさっていて、人はそれをはっきりと鮮明に見ることができません。つい「自分には夢や目標がない」などと思ってしまいます。そんな膜や靄の向こう側に横たわる夢や目標へのアクセスを可能にするのが、コーチの役割です。
夢や目標への道を切り開くためのアプローチの一つに、「視点を変えること」が挙げられます。たとえば上からではそれが見えないとしても、横に移動したり、下に回ったりすることで、その姿を確認することができるかもしれません。あるいはその対象から遠ざかってみることで、全体像をより鮮明に見ることができるかもしれません。
そして、視点を移動させるために、コーチは「質問」をクリエイトしていきます。
「もし何の制限もなく、何でも自由にできるとしたら、どんなことをしてみたい?」
「子どものころに持っていた好奇心を今でも失っていないとしたら、どんな夢を追っていると思う?」
「10年後のあなたは、今のあなたにどんな目標を追求してほしいと思っているかな?」
こうした質問により、相手の視点を変え、それまでは姿をとらえることのできなかった夢や目標を垣間見させます。
続いて、その全貌が鮮明に見てとれるように、相手にたくさん話させます。相手が夢や目標についての思いをどんどん深め、そこに多くの可能性を見いだし、心の底からそれを手にしたいと思うまで、繰り返し話させます。このときコーチは、相手の夢や目標の中に心からの興味と関心を持って入っていきます。こうして、相手の持つ夢のかけらを、二度と意識の底に沈んでしまうことのない大きな大きな一枚の絵へと変えていくのです。
今、あなたの目の前にいるその人の中にも、きっと大きな夢や目標があるはずです。
- 質問によって夢や目標に気づかせ、それについてたくさん話させる
- 「自分には夢や目標がない」と思っている部下には、視点を移動させるための質問をします。そして、夢や目標を垣間見させることができたら、全貌が鮮明に見てとれるよう、相手に繰り返し話させましょう。
(出典 : 『図解 コーチングスキル』 鈴木義幸著 (ディスカヴァー刊)






