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最もシンプルで強力な質問
桜井一紀 | 2004年11月10日
Aさんは東京近郊の総合病院で病理部長を務めています。
Aさんは部下との関係はすこぶる良好。
しかし上司にあたる院長とうまが合いません。
コーチングの中でAさんからよく出てくる言葉は
「院長は話にならない」「あの院長がいる限りだめだ」
「今のプロジェクトがうまくいかなかったら院長を糾弾する」
「院長のせいで自分の仕事が思うように進まない」
「他責」の言葉のオンパレードなのです。
私はAさんに質問しました。
「院長とどういう関係を作りたいのですか?」
「ことあるごとにぶつかってしまうので、
今のままでは自分の仕事も思うように進まない。
別に仲良くしたいとは思わないが、
自分の仕事がもう少し自由に出来るようになったらいいとは思います」
「どうしたらそれが実現できると思いますか?」
「院長がいる限り難しいんじゃないかな?」
「もしAさんに出来ることがあるとしたらどんなことでしょうか?」
「こっちから歩み寄るということですかねー?」
「Aさんから歩み寄るってどういうことですか?」
「こちらから話しかけるとか、出張に行ったらお土産買ってくるとか・・・」
「なるほど。それをやったらどうなると思いますか?」
「多少は違うんじゃないですかね。
でもそんなことをするのは媚びるようで僕のプライドが許さないな」
「プライドと仕事のしやすさとどちらをとりますか?
Aさんが今出来る最善の選択は何ですか?」
「ふむ、難しい質問だ。少し考えさせてください」
1週間後、自分の仕事をうまくいかせるために、
いかに院長との関係を改善するか、
その戦略をつくることがAさんのコーチングのテーマになりました。
もちろん、プライドは脇に置いて。
コーチングは「自責」の立場に立って行われます。
「自責」とは今の状況は自分がつくりだしているという立場に立つことです。
自分が悪いという意味ではありません。
今の状況は自分がつくり出しているのだから、
その状況は自分で変えていくことが出来るという考え方です。
「あなたが今できる最善のことは何ですか?」
この質問は、どんな状況の相手に対しても、
最もシンプルで強力な質問だといえるでしょう。
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