CTP成果事例

自分、部下、組織。一石三鳥のトレーニングを通じて、会社全体を変えていく

マネジメント職としての漠然とした不安から、CTP受講を決めたという小松美穂氏。「何かを教えてもらうプログラム」だと思っていた小松氏にとって、このプログラムは期待を大きく覆されたものだったそうです。しかし、その後、さまざまな変化を生み出し、今では、自ら「強い組織」といえるまで自部署を成長させた小松氏より、そのマネジメント手法と組織への影響力を伺ってみました。

小松 美穂氏
小松 美穂氏

東レ・ダウコーニング株式会社
シェアードサービス事業本部 物流部 部長

旅行会社、貿易会社などを経て、化学素材製造企業である東レ・ダウコーニング株式会社に入社。現在、物流部門のリーダー。コーチングスキルを社内で活用し、自ら考え行動し、変化を起こすことのできる人材の育成を目指している。

2006年 CTP(コーチ・トレーニング・プログラム)スタート
2008年 (財)生涯学習開発財団 認定コーチ 取得

メンバーからアイデアを引き出し、ルーチン業務を効率化

--------現在のお仕事について教えてください。

私が勤めている東レ・ダウコーニングは、シリコーンという化学素材を製造している会社です。日本とアメリカの会社の資本が入っていて、日本国内に4つの工場があります。シリコーンが使われている製品としては、自動車や建物をはじめ、化粧品やシャンプーなどさまざま。特に最近は、太陽電池や風力発電、LED、電気自動車などの環境関連技術にも注力しています。

その中で、私は物流部の部長を務めています。全世界のダウコーニングの工場で製造される製品の輸入や、日本で製造した製品の輸出など、国際輸送に関することが主たる業務です。それに伴い、輸送費用削減や、会社全体の運送改善プロジェクトなどの統括もしています。

--------普段、マネジメントをするうえで、心がけているのはどのようなことですか?

メンバーからアイデアや行動を引き出すことで、できるだけルーチン業務を効率化し、その分、部署として、お客様満足度を高めるための判断や取り組みに時間を使えるよう心がけています。

例えば、貿易関係の業務は、書類が大変多い。毎月毎月発生する、海外の業者から送られてくる書類を受け取って、ソートして、保管する業務には、いつも頭を悩ませていました。

そこで、メンバーの一人から知恵を出してもらった結果、これらの業務を予め先方の業者に依頼し、形の整った状態で送ってもらった方がお互いに効率的になることが分かり、発送フローを変更しました。工数にしたら10%は削減されたと思います。

また、毎日膨大なメール処理に追われていたあるメンバーは、自らの提案で情報の集約・一元化を図り、結果、業務効率の向上に寄与してくれました。

このように、マネジメントでは、私が考えるのではなくメンバーが改善策を考えられるよう問いかけ、関わることに最も力を入れています。

「何かを教えてもらえるプログラム」。そんな期待はあっさり覆された

--------小松さんがCTPを学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

私はかつて、貿易関係の仕事をしており、40歳を過ぎて現在の会社に入りました。マネジメント職になり、業務の幅も年々増えていく。そんな環境にやりがいを感じていました。一方で、これまでのキャリアを買っていただいての入社ですから、業務やマネジメントのことについて、一から教えてくれる人はいませんでしたし、自分にとってロールモデルとなる方も身近にはいませんでした。

「もっと部下が増えたり、業務の領域が広くなったりしたら、この先やっていけるだろうか」「今後10年、私はどうなっていくのだろうか」……。「いつまでも楽しく仕事をしていたい」と思っていた私は、次第に不安や行き詰まりを感じるようになっていったのです。

--------そこで、CTPの受講を決められたのですね。

最初は、「マネジメントについて、何か教えてもらえるんじゃないか」という期待感から受講を始めました。しかし、そんな淡い期待は、2つ目のクラスあたりであっさり覆されましたね(笑)。「それで、あなたは何をしますか?」「あなたはどう思いますか?」など、常に自分自身に直面させられる質問が、クラスコーチから飛んでくるのですから。

例えば、こんな具合です。

クラスコーチ(以下、ク)「会社がマネジャーであるあなたに求めているものは何ですか?」
私「よその部署を巻き込んで、組織全体を引っ張っていくことでしょうか」
ク「そのために、あなたは何ができますか?」
私「……分からないので、誰かに助けを求めてみようと思います」
ク「誰かとは具体的に誰ですか?」
私「隣の部署の部長さんに聞いてきます」

自分の不安がどこからくるのかすら分からなかった私にとって、このプログラムは、自分には今何が必要で、そのために何ができるのかが明確になっていく時間でした。

「これ、どうしたらいいですか?」が口癖だった部下が、自主的に業務を進めていくように

--------CTPによって、生まれた変化を教えていただけますか?

クラスコーチや他の受講者の方が、コーチ的な関わりをしてくださったことで、自分自身の物事の捉え方や、これまでの部下との関わりを見つめ直す機会を数多くいただきました。

まずは、自分自身の変化です。以前の私は、自分自身に対する感想や意見を聞くのが苦手でした。どうしても、批判されているとしか思えませんでした。

そんな状態でしたので、CTPを始めたころは、クラスの中で他の受講者から意見をいただくことが、正直とてもイヤでした。何を言われるのかと毎回ドキドキしたり、厳しいフィードバックを受けた後は、落ち込んだり。

しかし、CTPは1年半の継続的なトレーニング。毎回、毎回、自分への意見をいただくことにより、自然と意見や感想、フィードバックをいただくことにも慣れてきて、徐々に聴く耳を持てるようになっていきました。

--------それによって、職場ではどのような変化がありましたか?

部下の話をじっくり聞くことができるようになりましたね。以前は、部下がミスの報告などをしてきたら、「なぜミスをしたの?」とまず原因の追求に向かっていました。しかし、今は、まず相手の意見に耳を傾け、そのうえで、「次にミスをしないようにするために何ができるか」を一緒に考えられるようになっています。

--------部下の方はどのように変わりましたか?

特に変わったと思うのは、「先のことを考え、宣言するようになった」こと、また、「自主的な業務の進め方ができるようになった」ことです。

CTPでビジョンをつくり続けることの重要性に気がついた私は、部下に対しても、常に先のことに目を向けるよう関わっていきました。それまでの彼らの仕事ぶりからは、「今の仕事を毎日していればいいや」という意識がありありと伝わってきていましたからね。そんな彼らに私は、先に目を向けるための質問をこまめに繰り返しました。

「3年先、5年先の、会社内でのあなたの目標は何ですか?」
「あなたは今後、どうなっていきたいのですか?」
「物流部以外でやってみたい仕事は、どんなことですか?」

こうした質問を受け続けることで、彼ら自身、将来を考え、さらには行動を自分で宣言するようになりました。

「これ、どうしたらいいですか?」が口癖だったある部下も、今では、「次に、これをこういうやり方で進めたいと考えていますが、ご意見をいただけますか?」というように聞き方が変わってきましたよ。

自部署を強くし、さらに横とのつながりを深めていく

--------こうした変化は、組織にどのような成果をもたらしていますか?

部全体として「変化に動じない組織」に変わってきました。物流部は、昨年11月に東京本店から千葉工場内の事務所に異動しました。家庭事情が異なる中、全員がこの大きな変化を受け止め、自分自身を適応させようとしています。さらに今後は、メンバーの交代があるかもしれません。でも、「変化があって当たり前」という気持ちを、部内で共有できていると感じています。この気持ちこそ、私が維持したい「強いチーム」の基本です。

最近は、こうした意識の変化や、前述した「ルーチン業務の工数10%減」などを見ている他部署の部長さんや役員から、「メンバーが一丸となっているね」「メンバー全員が同じ方向を向いているから、毎年、目標が達成できるんだね」「部内でいつも、楽しそうに仕事をしているね」とフィードバックをいただくことが増えてきました。

今後は、自部署だけにとどまらず、他部署との横のつながりやネットワークをさらに強化していきたいですね。

--------最後に、CTPを検討されている方にひと言お願いします。

CTPにより、自分自身も向上し、部下も成長し、組織も強くなります。そうなれば、早く、効率よく業務をこなすことができるようになる。顧客満足度も向上し、会社も儲かり、結果的に自分の給料も上がる、と私は信じています。

よく「一石二鳥」と言いますが、私は、コーチングのトレーニングを積み、それを活かすことで、「自分、部下、組織」という、一石三鳥の変化を実現させました。この記事を読んでくださっているあなたも、もしマネジメントについて何か新しい学びを手にしたいのであれば、「まずは、実行」ということで、説明会やクラス体験に参加してみてはいかがでしょうか。

(終わり)